2014年9月24日

2004年のとある店でコーヒーを飲んでいるだけで実際は何も起こっていない。


ハッピーエンド
ハッピーエンド
ハッピーエンド

より子さんは22歳の時、
このことばのせいで、
必要もなかった分まで裏切られた気持ちになって、
必要もなかった分まで苦しんでいた。

「このハッピーエンドは実は毒かもしれない」

いま思えば、それは通知表に似た存在で
想像する結末と現実を比べることで
怯えた感情しか生まれなかったハッピーエンドというものに対して、
はじめてそんなふうに思った時、

より子さんはたったひとりでコーヒーを飲んでいたあの店で
そのコーヒーが美味しかった訳でもなく、
将来が決まった訳でも
大金を手にした訳でも
何かひとつでも問題が解決した訳でもないのに、

まだ何も起こってないただコーヒーを飲んでいたその時間、
生まれて初めて
毒じゃないほうのハッピーエンドの1億分の1くらいのものを
得た気がした。