2017年6月30日

メグル君は三年前に出会った歌を胸に抱きながら。




メグル君は落胆している。

七年ぶりに、
よく知っている街の懐かしい道に出くわしたはいいが、
その道を七年ぶりに歩いている自分の身なりときたら、

七年前と同じTシャツを着て、
七年前と同じズボンを履き、
七年前と同じサンダルを引きずり、
七年前と同じカバンを肩にかけ、

そしてそれらすべて、
メグル君と共に七年分の時間が刻まれて廃れていた。

七年前と同じ財布の中には、相変わらず、
七年前と同じだけの小銭だけが入っていて、

七年前にはなかった
オシャレなカフェのウィンドウに映る自分の姿を見て、
七年経っても猫背のままのメグル君は、

七年前より一層賑わっているその道に対して
久しぶりに出会った喜びなんて一瞬にして泡となり、
虚しく消えていった。

メグル君はいま、落胆している。

七年ぶりに歩いているその道を抜けるまであと100メートル。
くじけそうな時に歌う歌を心の中で歌って、陽気に堂々と歩く。

メグル君だけが七年前のまま、

しかし、いまメグル君が心の中で歌っているその歌は、
この七年の間に知った歌だということに、
メグル君は気づかないまま、

メグル君は、
七年前と何一つ変わっていないと思い込んだまま、
メグル君は今の自分にとても落胆している。